従来のWindowsではデスクトップと言えば1つだけでした。仮想デスクトップとは、このデスクトップを複数用意して、切り替えながら使う事で作業を効率よくおこなえるようにする、という機能です。Macなどでは以前から実装されていましたが、Windowsでも最新のWindows10から仮想デスクトップが利用できるようになりました。

Windows10での仮想デスクトップのショートカット
新しいデスクトップを作成するためには、タスクバーからアイコンをクリックして新規作成する方法と、ショートカットキーを利用する方法があります。ちなみに新規作成のショートカットキーは「Win + Ctrl + D」です。デスクトップはそれぞれ独立した存在となりますから、デスクトップAではブラウザを起動し、デスクトップBではWordとExcelを起動する、といった使い方ができます。つまりデスクトップAで情報を収集し、デスクトップBでは収集した情報をもとに資料を作成するといった事ができます。
作業効率の改善として
もちろんこれまでのWindowsでもブラウザと同時にWordやExcelを立ち上げ、切り替えて作業するといった事は可能でした。そして利用しているアプリケーションがブラウザとWord、Excelぐらいであればそれでも問題はないかもしれません。
しかし、さらにいくつものアプリケーションを起動したり、ブラウザで複数のタブを開いていると、必要な画面を開くまでに時間がかかったり、間違えて別画面を編集してしまうなど、作業効率が悪くなってしまいます。
仮想デスクトップならよりシンプルに、そしてより簡単に作業画面を切り替える事ができます。しかも仮想デスクトップは再起動しても、それぞれのデスクトップの設定は保持されています。つまり一度作成しておけば、その都度再作成する手間もないということです。

作業ごと、プロジェクトごとのデスクトップ作成
例えば情報収集用のデスクトップではブラウザだけを起動しておく。同じようにWord用のデスクトップ、Excel用のデスクトップなど、アプリケーションごとに複数のデスクトップ作成する事で、切り替えの手間や間違いを軽減する事ができるでしょう。
あるいはプロジェクトごとにデスクトップを作成しておけば、複数のプロジェクトを平行で処理している方にとって、作業効率が格段にアップする事でしょう。
Aプロジェクトで使用する見積書や参考資料はAプロジェクト用のデスクトップに貼付けておく。逆にBプロジェクト用の資料はBプロジェクトのデスクトップに貼付けておけば、捜す手間も省けて、かつ取り違える心配もありません。
1つのプロジェクトが終了したら、そのデスクトップは削除してしまうか、別のプロジェクトに差し替えてしまえばわかりやすいでしょう。
マルチタスクが可能になるかも?
これまでであれば、結局作業に応じてアプリケーションを起動し直したり、必要な資料を探し出さなければなりませんでした。パソコンはマルチタスクでも人間はそう簡単にマルチタスクにはなりにくいのです。
しかし複数のデスクトップを用途に応じて切り替え手作業すれば、アプリケーションを作業に応じて起動し直したり、たくさんの資料の中から必要な書類を探し出すなど、無駄な作業が大幅に軽減され、必要な作業により集中する事ができるでしょう。

仮想デスクトップ活用法はビジネスだけじゃない
ここまで見てくると仮想デスクトップとは、ビジネス用の機能なんだと思われた方もいるかもしれません。けれどそんな事はありません。
自宅に仕事を持ち帰る方なら、仕事用のデスクトップとプライベート用のデスクトップを作成する。そんな使い方も可能です。これならば仕事用の資料がプライベートな資料にまぎれる事もありません。もちろんその逆も然りです。
家族それぞれの仮想デスクトップを作る
あるいは1台のパソコンを家族で利用しているという方なら、家族それぞれのデスクトップを作成しておくという手もあります。お父さん、お母さん、そして子供たち、それぞれが必要なアプリケーションを、必要な書類だけをデスクトップ上に出しておく、といった使い方も可能です。こうすればデスクトップはすっきりとして使いやすいものになるはずです。
まとめ
以上述べてきた利用方法はほんの一部にすぎません。ぜひ皆さんで様々な利用方法を考えてみてください。よくパソコンの画面は実際の机の上に例えられてきました。ですからパソコンの画面はデスクトップと呼ばれます。
であれば、パソコンの画面が利用者ごとに複数存在するということは、実に自然な事ではないでしょうか。人それぞれ使いやすいデスクトップは異なります。そして作業によっても効率のいいデスクトップは異なるはずです。
もちろん仮想デスクトップという機能がビジネスシーンでより威力を発揮する機能である事は間違いありません。
こんな便利な機能をビジネスだけで利用するのはもったいないと思います。個人的にはこの機能を利用するためだけでも、Windows10のグレードアップする意味はあると思っています。
皆さんもぜひ一度この機能に触れて、より良い使い方を考案してみてください。
2016年7月18日投稿記事