世界中で新型コロナウイルス(COVID-19)の感染が拡大し、日本でも4月7日に7都府県を対象に緊急事態が宣言されました。
愛知県は非常事態の対象からは外れていますが、今後どうなるかはわかりません。「非常事態宣言の対象ではないから安全」ではなく、「非常事態宣言の対象にならないよう、これからも慎重に行動する」ようにしましょう。
「Folding@Home」とは?
新型コロナウイルスによる肺炎の治療法を発見しようと、さまざまな取組が世界中で試みられています。
世界中のパソコンのCPUやGPUの余剰パワーを使ってタンパク質のデータ解析を行う医療研究プロジェクトの一つが、「Folding@Home」です。
プロジェクトに参加することで、自分のコンピューターの余った計算リソースを寄付できます。プロジェクトへの参加はボランティアになりますので、報酬などはもらえませんが、新型コロナウイルスの治療法の発見は世界中の利益となります。
今回は、「Folding@Home」のWindows用アプリを使って新型コロナウイルス治療に向けた解析プログラムに参加する方法を紹介します。参加の仕方は簡単で、3分もあれば準備は完了できます。
※Windows用以外に、MacOS用や各種Linux用のアプリも用意されています。
「Folding@Home」をインストールする
①「Folding@Home」公式サイトのダウンロードページに行き、Windows版のアプリをダウンロードする。

②インストーラーを起動させ、インストールを進める。
※ユーザーアカウント制御の画面が表示された場合は「はい」を選択する

「Next」をクリック。

条文が表示されるので、よく読んで「I Agree」をクリック。

インストール方法が表示されるので、選択して(通常は「Express install」でよい)「Next」をクリック。

インストールが開始されるので、終わるまでしばらく待つ。

インストールが完了したら、「Start Folding@Home」にチェックを入れて「Finish」をクリックする。

アクセス許可の警告が出た場合、対応するネットワークにチェックを入れて「アクセスを許可する」をクリック。
自動的に「Folding@Home」のwebコンソールが表示される。
※広告ブロックなどのブラウザアドオンが有効になっていると正しく表示されません。アドオンを無効にするか一時停止してください。

「Folding@Home」で解析を始める
解析は匿名でも行える。匿名参加する場合は「Fold as Anonymous」を選択して「Start Folding」をクリックする。


設定が完了し、解析画面が表示される。
しばらく待つと解析が自動的に始まる。

プルダウンメニューで解析するプログラムを選択できる。
がんやパーキンソン病などの解析も行える。
新型コロナウイルスの解析に参加する場合は、「Any disease」にしておくと優先的に割り振られるようになっている。

「Power」を調整することで、提供する計算リソースの割合を変更できる。
「Lighit」が一番負荷が低く、「Full」が一番負荷が高い。
「Medium」、「Full」では、CPUだけでなくGPUも使って解析を行える。
「When」を調整することで、解析を行うタイミングを選択できる。
常に解析を行う場合は「While I’m working」、アイドル時(パソコンに負荷がかかっていない時)にだけ解析を行う場合は「Only whnen idle」を選択する。

解析を止める場合は「Stop Folding」をクリックする。

チームに参加したり、ランキングに参加したりする場合には、個人を識別する情報を入力する。
「Change Identity」をクリックする。

「Name」に名前を入力する。
チームに参加する場合は、「Team Number」にチーム番号を入力する。
登録されているチームは、「Stats Page」で一覧が表示される。
(PassKeyについては、特に入力しなくても解析を進められる)

ブラウザーを閉じても、プログラムが常駐して解析を続けている。

「Folding@Home」のアイコンを右クリックすると、webコンソール画面を表示しなくても様々な設定が行える。

「Protein Viewer」をクリックすると、世界中の計算リソースを使ってシミュレーションしているタンパク質の3D構造を見られる。
おまけ:「Folding@Home」の負荷はどのくらいになるのか
「Folding@Home」を実行したときの負荷がどの程度になるのか、実際に動かしてみました。
使用環境:
CPU:Core i7 6700(3.4GHz)
メモリ:16GB
SSD:480GB
VGA:nVidia GeForce GTX1650
OS:Windows10 Pro 64bit
Light
一番軽い設定だが、CPUを40%程度を専有している。
GPUに負荷はかかっていない。

Medium
中程度負荷設定の段階でCPU負荷が90%を超えている。i7-6700では力不足な感がある。
GPU負荷は40%程度。

High
高負荷設定だが、Mediumのときとあまり変わっていない。
やはりi7-6700では力不足か。

Core i7 6700程度のCPUでは、Medium以上の設定ではほぼCPUのすべてを専有してしまうことがわりました。
この程度の性能のパソコンで常時解析を行うならば、負荷は「Light」にしておくのがいいでしょう。
アイドル時にだけ解析を行うならば、「Medium」以上にしても問題はないと思われます(ただ、負荷が大きいので消費電力は上がる)。
より高性能なパソコンならば、他の作業を続けながらでも「Medium」や「High」の設定で問題なく解析ができるかもしれません。